ル・コルビジェとアイリーン 追憶のヴィラ

もう公開が終わってしまったのだけれども、「ル・コルビジェとアイリーン 追憶のヴィラ」という映画が公開されていました。ちょうどバタバタで何も見られない時期で見落として、最近気がついたわけです。アイリーンが「アイリーン グレイ」を指しているとは気がつかず。。。アイリーン グレイはずっと好きな建築家/デザイナーでした。 ちょうど私が大学院のころ、近代の見直しが盛んで、私は日本の近代住宅とともに、ヨーロッパの近代建築も追っかけていて、そこで、アイリーン グレイを発見したわけでした。彼女の本はまだ日本では翻訳されていなくて、小池一子さんの翻訳が出たのが1992年、買って読んだことを覚えています。 アイリーン グレイのデザインは、他の流れから全く自立し、突然出現したもので、彼女がもともとアール・デコのデザイナーであり、建築は後から自己流で学んだものだったりすることから来ています。この家具のデザインなど、とても100年近く前のものとは思えません。(私も持っていた)。




本人と恋人で建築家/編集者のジョン、パドウィッチのために、住宅E.1027のための家具としてデザインされた。ベッドサイドに置き、朝食をつまむためにデザインされたとのこと。高さも調節できて、本当にそう使うと便利だった!

面白いのはパリで漆の日本人職人、菅原精造の薫陶を受け、デザインに取り入れているということ。この人や、ピエール シャロー「ガラスの家」など、1920年代に、普通の建築家とは別の流れでデザインされたすごくカッコいいインテリアデザインがいくつか現れ、それがモダンデザインを牽引していったように思えます。 「住宅E.1027」は、近代建築の巨匠、ル・コルビジェが賞賛し、挙げ句の果てにインテリアに勝手に絵を描いて、アイリーン グレイと微妙な関係になったというエピソードが有名で、この映画もその頃を描いています。この当時のインテリア写真を見ても、いかに革新的なデザインだったかがよくわかります。 映画をDVDで観ると、やはり現地でロケされたアイリーン クレイ設計の住宅「住宅E.1027」のインテリアが素晴らしくて、主要キャストと同じくらいの魅力を放っていました。しかし、こんなマニアックな話が映画化されて、それが日本に入ってくるとは、、、あと、ヴァンサン ベレーズは久々見たな。 追記、近年、フランス政府が土地を買い取り、隣接するル コルビジェ設計の海を望む「休暇小屋」とあわせて「住宅E.1027」が補修され、一般公開されたとのこと、こちらのサイトを参照下さい。


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前川国男の外装/上野公園の建築3題

ベルリン・名作集合住宅の断熱リノベーション

ベルリン・名作集合住宅の断熱リノベーション

ブルーノ タウトの研究家でもある、田中辰明先生つながりで書くのだけれど、先生のエッセイでも紹介された通りオンケルトムズヒュッテの住宅団地など、ブルーノ タウトが設計したベルリンの4つの集合住宅が2008年に世界文化遺産に登録された。また、近年外壁に外断熱を施すことなど、大規模な改修もなされ、今のスペックにあわせて蘇った。表現主義建築の時代から、第一次大戦を経て、アンビルドの時代から1920年代の後半、一気に12000戸の集合住宅をタウトは設計した。竣工から100年近く経って、文化的価値とともに、性能を向上させて建物を使用する。建築のストックとしての意識の違いを感じさせる。

たとえばこの河内秀子さんのような、現地在住のライターの方のこのようなレポートを読むと、タウトのような建築家がデザインした集合住宅が、今もベルリン市民に高い支持を受けているのがわかる。当時のデザインをカラーリングをふくめて再現している(なんと当時塗料を提供していたメーカーに協力させたとのこと)。今も住むところとして人気があるだけでなく、観光客やデザイン関係者などが実際泊まれるというのが素晴らしい。日本も小林信彦が書くように、たとえば同潤会アパートを全部とは言わないが、ひとつくらい残しておけば良かったのにねえ。

特別養護老人ホームその後

こちらのブログに、私たちが設計した特別養護老人ホームのその後の様子について書いています。一見住宅と関係ないように見えながら、こちらも終の住処、いろいろ考え方が共通するところも多いです。すまいを考える上で参考になる部分もあるかと思いますので、ご興味のある方はぜひに。

特別養護老人ホームその後

 

田中辰明先生宅ご訪問

K&Factory一級建築士事務所のブログに、日本の外断熱工法についての第一人者である田中辰明先生宅ご訪問の記事を上げています。ご自身の住宅が、築37年の日本の最初期の外断熱住宅です。日本の外断熱についての受容経緯など、様々なお話をお聞きしています、ご興味ある方はぜひお読み下さい。

ヨーロッパの断熱建築デザイン その2 ドイツ編①

上の写真は一般住宅の窓の収まり。ドイツの断熱基準に合わせ、20センチの断熱材が外壁に貼られている。通常日本の3倍の厚さ!


続けて、環境都市で有名なドイツ、フライブルグ市の環境化の一環として、郊外の普通の住宅の様子をみたい。こちらも現地の、日本人ガイドさんに案内してもらうことができた。

フライブルグ市の環境都市化の歴史は古く、チェルノブイリ原発のショックで市民の意識が一変した。この街はフランスからそれまで電気を買っていたが、その電気は原子力によって作られたものだったため、いかにそれから脱却するかが住民共通の課題となった。

早くからソーラーパネルなどのエネルギー施策を取りいれただけでなく、環境系企業の誘致、車を市内に入れず、公共交通に乗り換えるパークアンドライドなど、交通システムの実験も行い、さまさまな形の環境政策を打ち出し、ドイツ、ヨーロッパの環境首都とも呼ばれている。


こちらは中心市街地にある環境情報センター。海外からの視察客も多く、普及啓発に熱心。


視察ではいろいろ見せてもらったのだが、今回はドイツの進んだ断熱基準に基づく郊外の住宅地のルポということで。

ドイツ郊外の住宅地、構造は木造、サンルームなどの外屋がくっついている。カラーリングがカラフルです。各家の壁はブログトップの写真でもわかるように、木造の上に外断熱で分厚い断熱材を貼っている。

サンルームの収まり、これが建物の蓄熱に大きな役割を果たしている。太陽光で部屋を暖ためるのは古くからある手法。断熱がしっかりしているので、昼の光で床に蓄熱した熱が逃げない。

これが面白い。ドイツの道路の側溝、隠蔽せずオープンな形で雨水を処理する。ドイツに行って驚いたのは、住宅地など舗装されていないこと、雨水は自然浸透させる。ドイツも一時期までは舗装が進んでいたが、その後舗装を剥がす方向へ。水たまりがあってもそれで良いとい考え方。逆に言えば、日本はあらゆるところが舗装されすぎているというべきか。

こんな感じで、各家庭が思いおもいに自分の家の前の家づくりを楽しんでいる。外屋などはDIYがほとんどとのこと。

郊外住宅地を30分ほど散歩したが、日本との住宅や街の作り方の違いに驚いた。何でもみてみないとわからないものである。


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