その2 日本の屋根

写真;白川郷の茅葺屋根、深い勾配は水はけをよくするためのもの。


日本の建築を特徴づけるもの、それは屋根です。上の写真にあるような、白川郷や飛騨高山の合掌造りの屋根の連なりなど、日本の風景のシンボル、美しさの表現として、しばしば日本建築の屋根が出てきます。

高温多湿で、モンスーン気候に属する日本は、雨も多く、この雨をどうやって凌ぐかについて、古くから工夫がなされていました。

茅葺き屋根は、排水性に通気性にも優れた機能を持ち、日本だけでなく世界中で使用された仕組みですが、数年に一度、かなりの手をかけて葺き替える必要がありました。稲作中心の社会だから成り立っており、社会情勢も違うため、現在は茅葺き屋根は非常に高価なものとなっています。

また、瓦屋根は耐久性が高く、建ててからの手入れもあまり必要ないですが、当時の庶民とっては手が込んだ加工品で高級品でした。また、荷重が重いため、地震に弱いところが問題でした。

RCや鉄骨造の住宅が出てきたのは昭和初期に入ってからですが、当時の最新の建築様式、いわゆるモダン建築は、フラットな屋根を基本とします。しかし当時の貧弱な防水仕様では耐久性がなく、ヨーロッパに比べ雨の多い日本の環境ではしばしば雨漏りを起こしていました。ましてや、当時の技術では断熱など一切考慮されていませんでした。それらの課題が解決するには、戦後の経済回復と、防水、断熱技術の発達を待たなければなりませんでした。

日本建築は、ずっと雨との戦いでもあったのです。

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