その4 RC住宅の歴史(戦後~現代まで)

写真の説明;当事務所設計のparklane 高円寺;滑らかなコンクリートの生地、外壁に面する壁は断熱材が打ち込まれていて、快適な室内環境を保っています。打ち放しの壁は部屋間の間仕切りです。


1970年代以降は、RC打ち放しをトレードマークとする建築家安藤忠雄の登場もあり、デザイン的に優れたものもいくつも出てきました。コンクリート打ち放しの表現は、初期の荒々しいものから、技術が進んだ結果、滑らかな平面をもつ、木目の細かいコンクリートも打設できるようになりました。ガラスとコンクリートの収まりは、今や日本建築の特徴ともいえるほどポピュラーなものとなりました

RCの住宅の最大の利点は、地震に対し構造的に強いこと、火災などに対する耐火性能に優れていることです。日本は地震国であり、また、火災については前のコラムでも書いたとおり、江戸時代から火災は日本の、とくに都市部のすまいにとって最大の問題でした。RCはこれらを解決する理想的な技術でした。

ただし、欠点もあります。躯体がRCだけの場合、断熱を施さないと、躯体が蓄熱、あるいは冷却してしまい、夏は耐えられないほど暑く、冬は凍えるほど寒くなってしまいます。コンクリート打ち放しの住宅がそのままでは住めないといわれるのは、そのためです。しかし、日本だけでなく世界的な断熱材の発達により、その問題はカバーできるようになりました。また、もう1つの問題として、RCの躯体をつくるために木で型枠を組む必要があり、その廃棄も環境問題となっています。

RCZ工法は、その2つを一気に解決するシステムです。型枠はグラスファイバー製で、何回も使い回しが可能です。また、室内側は断熱材を仕上げも兼ねて打ち込むため、型枠が不要な上、しっかりコンクリートにくっつきます。無駄がなく、施工性の高いシステムなのです。


関連コラム;なぜ日本の住宅の断熱性能は低いのか

その1 日本の古民家の話から

その2 日本の屋根って?

その3 RC住宅の歴史1 戦前まで

その5    ヨーロッパの断熱と冷暖房事情